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文献詳細

雑誌文献

耳鼻咽喉科・頭頸部外科68巻8号

1996年08月発行

連載 症状から見た耳鼻咽喉科・頭頸部外科シリーズ

②嚥下困難

著者: 津田邦良1 進武幹1

所属機関: 1佐賀医科大学耳鼻咽喉科学教室

ページ範囲:P.733 - P.740

文献概要

 I.咽頭期嚥下のメカニズム
 嚥下とは食塊を口腔から咽頭,食道を経て胃まで運ぶ動作をいう。このように単純にみえる嚥下運動は多くの神経・筋系が関与し,これらは中枢神経系の制御を受けている。随意的に口腔内で舌の運動により,食塊は咽頭へ送り込む運動(口腔期,嚥下第1期)に始まり,咽頭粘膜に多数存在する末梢神経の受容器が食塊により機械的あるいは化学的に適切に刺激され,反射性に咽喉頭の各筋の共同運動が惹起され,食塊は咽頭腔より食道に運ばれる(咽頭期,嚥下第2期)。食道内では,引き続き起こる蠕動運動により噴門を通過して胃に送られる(食道期,嚥下第3期)。
 咽頭腔は気道と食塊通路の共通路であるため,嚥下に際し喉頭は閉鎖および挙上され,下気道防御のためきわめて精巧かつ再現性の高い運動様式をとっている。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1316

印刷版ISSN:0914-3491

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