文献詳細
原著
誤嚥防止を目的に喉頭全摘術を施行した4症例
著者: 菅家稔1 田中一仁1 小形章1 犬山里代1 鈴木理文1 立川浩2 本多虔夫2
所属機関: 1横浜市立市民病院耳鼻咽喉科 2横浜市立市民病院神経内科
ページ範囲:P.811 - P.815
文献概要
不可逆的な嚥下障害やそれに伴う慢性の誤嚥は長期にわたり気道を汚染し,生命をおびやかす存在である。患者は度重なる入退院を課せられ,また患者を介護する家族にとっても負担が大きい。今回,われわれは高度な誤嚥と音声・言語機能障害を有する筋萎縮性側索硬化症(以下ALS)2例,小児脳性麻痺1例,Shy-Drager症候群(以下SDS)1例に対し,誤嚥の防止を目的に喉頭全摘術を施行した。術後経過は良好で早期の退院が可能になり,患者・家族のQuality of Life (以下QOL)は向上した。また,われわれは音声・言語機能の永久喪失などを理由に敬遠されていた喉頭全摘術を見直し,その適応について考察した。
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