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原著
Waardenburg症候群Ⅱ型の1症例
著者: 舘田勝1 大島猛史1 池田勝久1 髙坂知節1
所属機関: 1東北大学医学部耳鼻咽喉科学教室
ページ範囲:P.20 - P.23
文献購入ページに移動Waardenburg症候群は1951年,オランダの眼科医であるWaardenburgにより初めて報告された1)。本症候群は,1)内眼角側方偏位,2)鼻根部の拡大,3)両側眉毛の合流,4)前頭部白髪,5)部分的または全虹彩異色症,6)先天性聾または難聴の6つの項目を様々な割合で含んだ,常染色体優性遺伝の形式をとる疾患である。現在では内眼角の側方偏位のあるものをⅠ型(WS1),ないものをⅡ型(WS2)とし,Ⅰ型の症状に上肢の異常をもつものをⅢ型(WS3)としている13)。本症候群は先天性難聴をきたす遺伝性疾患として知られているが,本邦では約30例7)と比較的報告例は少ない。今回われわれはWaardenburg症候群Ⅱ型の1症例を経験したので文献的考察を加え報告する。
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