文献詳細
原著
深頸部膿瘍—当科における9年間,37例の検討
著者: 奥野敬一郎1 金井憲一1 渡辺尚彦1 徳丸敬1 吉見健二郎1
所属機関: 1昭和大学医学部耳鼻咽喉科学教室
ページ範囲:P.67 - P.71
文献概要
近年,化学療法の進歩に伴い深頸部膿瘍の発生頻度は低下しているが,成人病の増加などの関連もあり,特に救急外来を持つ施設においては深頸部膿瘍に遭遇する機会は稀ではない。本疾患はCT,MRIなど画像診断の向上で早期診断も可能となってきているが,緊急気管切開を要し術前検査が十分できない症例や,縦隔など広範に進展し致命的になる症例もあり,治療に苦慮する場合も少なからず経験する。われわれは,1987年5月から1996年6月までの9年間に37例の深頸部膿瘍を経験し,若干の検討を行ったので報告する。
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