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原著
顔面痙攣の手術後に遅発性に生じた多発性脳神経障害の1例
著者: 小出千秋1 川合優子1 今井昭雄1 清野修2 花沢秀行3
所属機関: 1新潟市民病院耳鼻咽喉科 2新潟市民病院脳神経外科 3新潟大学医学部耳鼻咽喉科学教室
ページ範囲:P.72 - P.75
文献購入ページに移動中耳手術や内耳道手術の合併症として遅発性顔面神経麻痺があり,その原因には手術後の炎症,血腫,浮腫,循環障害が言われているが1,2),手術による機械的刺激が原因で起こる単純疱疹ウイルス(以下,HSV)や水痘帯状疱疹ウイルス(以下,VZV)の再活性化も考えられている3,4)。
われわれは顔面痙攣に対する神経血管減圧術後8日目に生じた多発性脳神経障害の1例を経験したが,神経への機械的刺激でウイルスの再活性化が生じたことが原因と考えた。神経への機械的刺激によるウイルスの再活性化について文献的考察を加え,報告する。
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