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原著
当院における結核性頸部リンパ節炎の検討
著者: 安松隆治1 新里祐一1 久和孝2 中島寅彦3 井之口昭3 小宮山荘太郎3
所属機関: 1下関市立中央病院耳鼻咽喉科 2山口赤十字病院耳鼻咽喉科 3九州大学医学部耳鼻咽喉科学教室
ページ範囲:P.707 - P.711
文献購入ページに移動近年,結核の新登録患者数は年々減少しているものの,その減少速度は鈍化しているという1)。
耳鼻咽喉科領域においても,結核性頸部リンパ節炎は,以前に比べて遭遇する機会は減少したものの,決して稀な疾患ではなく,頸部リンパ節腫脹を認めた場合,常に鑑別として念頭に置いておかなければならない疾患である。しかし,結核に対するわれわれの認識が薄れてきているために,必要な検査を怠り病理組織生検を施行して初めて結核であることが判明することもしばしばあるのが現状である。
今回われわれは,過去4年間に4例の結核性頸部リンパ節炎症例を経験したので,反省点,考察を加えて報告する。
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