文献詳細
トピックス 頭頸部領域の乳頭腫—その基礎と臨床
文献概要
はじめに
鼻・副鼻腔乳頭腫は1855年,Billroth1)により最初に報告され,1897年にはHellman2)により癌を合併した再発性乳頭腫が記載されている。また鼻・副鼻腔内向型乳頭腫は1938年にRingertz3)が最初に報告して以来,その高い再発率,組織破壊性,癌の合併の3点が臨床的特徴とされており注意を要する疾患の1つである。そのため,その治療は悪性腫瘍に準じた根治的拡大手術などが行われてきた。しかし近年の副鼻腔手術は,内視鏡手術に代表されるminimum invasive surgeryが主流となってきているため,本疾患の手術法の選択も変化しつつある。
また近年,本疾患は発生・癌化の過程にヒトパピローマウイルス(human papilloma virus:HPV)との関連が示唆されており,分子生物学的にもその過程が明らかになりつつある。本稿では鼻・副鼻腔乳頭腫についての診断,治療,そして癌化におけるHPVの役割について文献的考察を加えて述べる。
鼻・副鼻腔乳頭腫は1855年,Billroth1)により最初に報告され,1897年にはHellman2)により癌を合併した再発性乳頭腫が記載されている。また鼻・副鼻腔内向型乳頭腫は1938年にRingertz3)が最初に報告して以来,その高い再発率,組織破壊性,癌の合併の3点が臨床的特徴とされており注意を要する疾患の1つである。そのため,その治療は悪性腫瘍に準じた根治的拡大手術などが行われてきた。しかし近年の副鼻腔手術は,内視鏡手術に代表されるminimum invasive surgeryが主流となってきているため,本疾患の手術法の選択も変化しつつある。
また近年,本疾患は発生・癌化の過程にヒトパピローマウイルス(human papilloma virus:HPV)との関連が示唆されており,分子生物学的にもその過程が明らかになりつつある。本稿では鼻・副鼻腔乳頭腫についての診断,治療,そして癌化におけるHPVの役割について文献的考察を加えて述べる。
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