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文献詳細

雑誌文献

耳鼻咽喉科・頭頸部外科69巻13号

1997年12月発行

原著

悪性腫瘍の随伴性小脳変性症疑い例の神経耳科学的所見

著者: 内藤理恵1 室伏利久1 水野正浩2

所属機関: 1東京大学医学部耳鼻咽喉科 2東京大学医学部分院耳鼻咽喉科

ページ範囲:P.906 - P.909

文献概要

 はじめに
 悪性腫瘍の浸潤や転移によらずに,いわゆるremote effect (遠隔効果)によって生じる神経筋疾患は,傍悪性腫瘍症候群(paraneoplastic synd-rome)と総称される。この傍悪性腫瘍症候群の1つで,悪性腫瘍のremote effectによって亜急性に小脳失調をきたす亜急性小脳変性症では,血清中の抗プルキンエ細胞抗体が,特異的に高力価で存在することが証明され1,2),近年,腫瘍随伴性小脳変性症(paraneoplastic cerebellar degenera-tion)と呼ばれるようになってきた3,4)
 今回われわれは歩行時のふらつき,構音障害で発症し,臨床上,乳癌の遠隔効果による腫瘍随伴性小脳変性症が疑われた1症例を経験したので,その神経耳科学的所見について若干の文献的考察を加えて報告する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1316

印刷版ISSN:0914-3491

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