耳鼻咽喉科・頭頸部外科69巻2号

1997年02月発行

原著

11年の長期経過をたどった喉頭カルチノイドの1症例

著者： 坂本守¹ 山下公一² 村田英之² 宮崎巨³

所属機関： ¹公立能登総合病院耳鼻咽喉科 ²金沢医科大学耳鼻咽喉科教室 ³浅野川総合病院耳鼻咽喉科

ページ範囲：P.132 - P.136

文献概要

　はじめに
　カルチノイドは，消化管を中心にほぼ全身の諸臓器に散在する神経内分泌細胞より発生する腫瘍であるが，喉頭に発生することは非常に稀で，本邦ではこれまでに14例の報告をみるにすぎない。
　今回われわれは加療時より11年の長期経過をたどり，全身転移にて死亡した喉頭カルチノイドの1症例を経験したので報告する。