文献詳細
原著
鰓性癌と考えられた1症例
著者: 中川文夫1 斉藤龍介1 前田学1 宮原孝和1 園部紀子1 浜家一雄2 能勢聡一郎2
所属機関: 1岡山済生会総合病院耳鼻咽喉科 2岡山済生会総合病院病理
ページ範囲:P.138 - P.141
文献概要
鰓性癌は,胎生期の鰓性組織遺残物より癌化すると考えられており,1882年Volkman1)がBranchiogenes Karzinomと命名し報告したのに始まる。本症の診断にはMartinの診断基準2)が用いられてきたが,治療前に確定診断を行う決定的な方法はなく,臨床経過や病理組織診から総合的に診断が行われている例が多いようである。
今回われわれは,鰓性癌と考えられた1症例を経験したので文献的考察を加えて報告する。
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