文献詳細
原著
口腔・中咽頭癌に対するルゴール染色法
著者: 阿部達之1 砂川好光1 中川昌之1 兼平千裕1 加藤孝邦2 島田士郎2
所属機関: 1東京慈恵会医科大学放射線医学講座 2東京慈恵会医科大学耳鼻咽喉科学講座
ページ範囲:P.314 - P.316
文献概要
口腔・中咽頭癌の治療を施行する際,病巣の進展範囲は視診,触診により診断され切除範囲あるいは放射線の照射野が決定される。しかし,表在性病変の治療ではしばしば腫瘍の辺縁が不明瞭な場合があり進展範囲の決定に苦慮することがある。その際,外側にある程度の安全域を設けるか,20Gy/2週程度の外部照射で認められる腫瘍に限局した反応(いわゆる“tumoritis”)を参考にするなどの対処がなされている1,2)。
食道癌の進展範囲や食道造影では,診断不可能な表在性食道癌の検出において色素内視鏡検査(ルゴール染色法)が広く用いられ,その有用性は周知の事実である3)。今回われわれは口腔・中咽頭癌の放射線治療を施行する際,治療範囲の決定にルゴール染色法を用いた。
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