耳鼻咽喉科・頭頸部外科69巻5号

1997年05月発行

原著

顎下腺良性リンパ上皮性疾患の1症例

著者： 岩崎幸司¹ 宇佐神篤¹ 橋本泰幸¹ 小澤享史² 船井恒嘉³

所属機関： ¹県西部浜松医療センター耳鼻咽喉科 ²県西部浜松医療センター病理部 ³聖隷浜松病院耳鼻咽喉科

ページ範囲：P.360 - P.362

　はじめに
　良性リンパ上皮性疾患（benign lymphoepithe-lial lesion，以下BLEL）は病理学的にシェーグレン症候群（以下SjS）と同様の唾液腺組織所見を示す疾患である。文献的に耳下腺のBLELは散見されるが，顎下腺のBLELは稀である。今回われわれは右顎下部の腫瘤以外には臨床症状がなく，摘出した病理組織所見によりBLELと診断された1症例を経験したので若干の文献的考察を加えて報告する。