文献詳細
原著
文献概要
はじめに
頭頸部領域では,頸部転移巣のみで原発巣が確認できない,いわゆる原発不明癌は全頭頸部癌の1〜5%を占めており1),初診時すでにN1,Stage III以上の臨床病期であることからその予後は不良で,5年生存率はほぼ20〜50%とされている2,3)。全腫瘍に占める割合は低いが,診断技術の進歩にもかかわらずその割合は減少傾向は示しておらず4),絶えず臨床的な問題を提起している。
今回,当科において経験した原発不明頸部癌の症例について,診断に至る経過,そして原発巣の処理と頸部転移巣の対処の仕方を検討し,臨床的な問題点をあげて考察した。
頭頸部領域では,頸部転移巣のみで原発巣が確認できない,いわゆる原発不明癌は全頭頸部癌の1〜5%を占めており1),初診時すでにN1,Stage III以上の臨床病期であることからその予後は不良で,5年生存率はほぼ20〜50%とされている2,3)。全腫瘍に占める割合は低いが,診断技術の進歩にもかかわらずその割合は減少傾向は示しておらず4),絶えず臨床的な問題を提起している。
今回,当科において経験した原発不明頸部癌の症例について,診断に至る経過,そして原発巣の処理と頸部転移巣の対処の仕方を検討し,臨床的な問題点をあげて考察した。
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