文献詳細
原著
喉頭癌に対する光線力学的療法後の音声評価
著者: 井上斉1 吉田知之1 渡嘉敷亮二1 長谷川達哉1 西山信宏1 平出文久1 舩坂宗太郎1
所属機関: 1東京医科大学耳鼻咽喉科学教室
ページ範囲:P.407 - P.410
文献概要
声帯に限局するT1,T2の喉頭癌に対する治療は従来より広く放射線治療が中心となって行われてきた。しかし,照射によって腫瘍のみならず正常な粘膜も少なからず障害されるため,放射線治療終了後も声帯の発赤や血管拡張などが認められ,長期間観察していると瘢痕収縮などを起こし声帯振動の低下をきたす症例に遭遇する。その結果,患者は放射線治療終了後も長期にわたり音声障害を訴えることになる。
当施設では喉頭癌に対し腫瘍のみを選択的に治療できる光線力学的療法(photo-dynamic ther-apy,以下PDT)を行ってきた。そこで,PDT後の音声と放射線療法後の音声を比較検討したので報告する。
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