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特集 外傷と耳鼻咽喉科 1.耳 1.外耳
2.耳介裂傷
著者: 朴沢孝治1
所属機関: 1東北大学医学部耳鼻咽喉科学教室
ページ範囲:P.10 - P.14
文献購入ページに移動 ■はじめに
耳介は頭部より外方に突出するため外傷を受けやすく,しかも,薄い軟骨と皮膚組織よりなる脆弱な構造上,いったん外力が加わると損傷が大きくなる傾向がある。集音というかつての機能は,ヒトでは重要ではなくなったものの,美容面,また眼鏡の装用の際の不具合などで患者の苦痛は大きなものとなってしまう。一方,その三次元的に複雑な構造が損なわれると,再度形成するのはきわめて困難であり,初期治療によりいかに対側の月介と形態ならびに皮膚の色を合わせて形成できるかが重要となる。本稿では,耳介の解剖を振り返るとともに,耳介裂傷の患者を前にし,どのような初期治療が必要か,さらに種々の損傷の程度,損傷部位に応じた形成方法について概説する。
耳介は頭部より外方に突出するため外傷を受けやすく,しかも,薄い軟骨と皮膚組織よりなる脆弱な構造上,いったん外力が加わると損傷が大きくなる傾向がある。集音というかつての機能は,ヒトでは重要ではなくなったものの,美容面,また眼鏡の装用の際の不具合などで患者の苦痛は大きなものとなってしまう。一方,その三次元的に複雑な構造が損なわれると,再度形成するのはきわめて困難であり,初期治療によりいかに対側の月介と形態ならびに皮膚の色を合わせて形成できるかが重要となる。本稿では,耳介の解剖を振り返るとともに,耳介裂傷の患者を前にし,どのような初期治療が必要か,さらに種々の損傷の程度,損傷部位に応じた形成方法について概説する。
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