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特集 外傷と耳鼻咽喉科 II.鼻・副鼻腔
4.下顎骨骨折
著者: 湯本英二1
所属機関: 1愛媛大学医学部耳鼻咽喉科学教室
ページ範囲:P.80 - P.85
文献購入ページに移動 ■はじめに
交通外傷に伴う顔面骨折の増加1)とともに,下顎骨骨折の診断治療を求められる場合が増加してきた。しかし,下顎骨骨折の治療に最もよく用いられてきた顎間固定に不慣れなことから,耳鼻咽喉科では従来から取り扱う機会の少ない疾患である。とりわけ,下顎骨単独の骨折では口腔外科医や形成外科医がおもに治療を担当してきた。一方,耳鼻咽喉科医は頬骨上顎骨骨折症例を数多く扱っており2),そのような症例のなかには下顎骨骨折を伴う症例も少なくない。実際,重見ら3)は,12例の手術を行った下顎骨骨折中,7例が頬骨,上顎骨あるいは眼窩底の骨折を伴ったと報告しており,耳鼻咽喉科医にとっても下顎骨折に関する知識は必須であるといえる。このような観点から,本稿では,耳鼻咽喉科医に必要な下顎骨骨折の診断,治療方針および治療の実際について紹介する。
交通外傷に伴う顔面骨折の増加1)とともに,下顎骨骨折の診断治療を求められる場合が増加してきた。しかし,下顎骨骨折の治療に最もよく用いられてきた顎間固定に不慣れなことから,耳鼻咽喉科では従来から取り扱う機会の少ない疾患である。とりわけ,下顎骨単独の骨折では口腔外科医や形成外科医がおもに治療を担当してきた。一方,耳鼻咽喉科医は頬骨上顎骨骨折症例を数多く扱っており2),そのような症例のなかには下顎骨骨折を伴う症例も少なくない。実際,重見ら3)は,12例の手術を行った下顎骨骨折中,7例が頬骨,上顎骨あるいは眼窩底の骨折を伴ったと報告しており,耳鼻咽喉科医にとっても下顎骨折に関する知識は必須であるといえる。このような観点から,本稿では,耳鼻咽喉科医に必要な下顎骨骨折の診断,治療方針および治療の実際について紹介する。
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