文献詳細
文献概要
原著
耳下腺salivary duct carcinomaの1手術例
著者: 松浦徹1 石永一1 加藤昭彦1 山田弘之1
所属機関: 1山田赤十字病院耳鼻咽喉科
ページ範囲:P.450 - P.453
文献購入ページに移動耳下腺に発生する腫瘍は多形腺腫を始めとした良性腫瘍が多く,1施設で悪性腫瘍を扱う機会はそれほど多いとはいえない。またその組織型は多岐に分かれるため,1つの組織型癌を治療する機会は1施設でもそれほど多くはない。1991年に改訂されたWHOの組織分類では耳下腺悪性腫瘍は腺様嚢胞癌,粘表皮癌,腺房細胞癌,多形腺腫由来の癌,扁平上皮癌,腺扁平上皮癌,未分化癌,腺癌に分けられた従来の分類以外にさらに細分化されている。
1968年にKleinsasserら1)によって初めて報告された乳腺の導管癌に類似するsalivary duct carcinomaは,1991年のWHOの組織分類改訂では腺癌から独立した稀な疾患である。
掲載誌情報