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文献詳細

雑誌文献

耳鼻咽喉科・頭頸部外科69巻7号

1997年06月発行

原著

血液透析患者における甲状腺疾患の発症頻度—甲状腺超音波検査による検討

著者: 樋口栄作1 飯塚桂司1 庄田英明1 武市紀人1 大渡隆一郎1 榊原尚行2 久島貞一3

所属機関: 1市立釧路総合病院耳鼻咽喉科 2市立釧路総合病院泌尿器科 3釧路泌尿器科クリニック

ページ範囲:P.491 - P.495

文献概要

 はじめに
 慢性腎不全患者は潜在的な甲状腺機能低下状態にあるといわれており1,2),その原因として末梢におけるT3からT4への転換障害や,様々なレベルでのフィードバッグ障害などが挙げられている2)。われわれは腎不全患者における甲状腺の内分泌異常が,甲状腺の形態に少なからぬ影響を与えているのではないかと推測し,透析患者の甲状腺について超音波検査を行い,コントロールと比較,検討した。コントロールには,腎疾患や甲状腺疾患の既往のない耳鼻咽喉科疾患の患者と健常人を合わせた100例を用いた。なお,今回の検討では,全症例について甲状腺超音波検査を行う際に検査の目的を説明し,了解を得てから検査を行った。透析患者だけに対象を絞った甲状腺の超音波検査の報告は,過去に幾つか認められるが3,4),透析患者とコントロールを同時に同一施設で検討したのはわれわれが初めてであり,透析群とコントロールの甲状腺の疾患頻度について文献的考察を加えて報告する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1316

印刷版ISSN:0914-3491

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