icon fsr

文献詳細

雑誌文献

耳鼻咽喉科・頭頸部外科69巻8号

1997年07月発行

原著

髄膜炎を反復した両側Mondini型内耳奇形の1手術例

著者: 佐川鉄太郎1 松崎充男1 安岡義人1 亀井民雄1

所属機関: 1郡馬大学医学部耳鼻咽喉科学教室

ページ範囲:P.545 - P.548

文献概要

 緒言
 Mondini型内耳奇形については,1791年にMondiniが拡大した前庭と1回転半の蝸牛として初めて報告した1)。その後Ormerod2)は基底回転のみの蝸牛または扁平蝸牛と,前庭半規管の低形成とし,またSchuknecht1)は骨迷路および膜迷路の不完全な発育としており,現在もその定義は統一されていない。
 Mondini型内耳奇形では,耳性髄液漏を合併して反復性髄膜炎を起こす危険性があるとされ3),髄液漏のルートとして内耳道から前庭を通るものが多い1,4,5)。すなわち,前庭と内耳道間の骨隔壁(Lamina cribrosa)およびアブミ骨底板の骨欠損を伴うことが多く3,5〜7),くも膜下腔からの髄液圧が直接前庭窓に加わることになる。そして何らかの原因で外リンパ圧が上昇したときに,アブミ骨底板の先天性骨欠損部に穿孔をつくり,耳性髄液漏が生じると考えられる6)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1316

印刷版ISSN:0914-3491

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら