文献詳細
原著
小児顎下部に発生した腹壁外デスモイド腫瘍(aggressive fibromatosis)の1症例
著者: 冨永進1 西岡信二1 小坂道也1 福島邦博1 門田伸也1 西崎和則1 増田游1
所属機関: 1岡山大学医学部耳鼻咽喉科学教室
ページ範囲:P.639 - P.642
文献概要
腹壁外デスモイド腫瘍(extraabdominal des-moid tumor)は,腹壁以外の筋肉や筋腱膜より発生する頭頸部では比較的稀な線維性軟部腫瘍である。ケロイドに似た組織像を呈し病理学的には良性であるにもかかわらず,強い局所浸潤性と易再発性を示し,臨床的には悪性腫瘍に似た経過をとることで知られている1)。本来成人に多いとされ,小児には稀な頭頸部腫瘍であると言われている2)。
今回われわれは,増大を繰り返し治療に難渋した6歳女児の顎下部に発生した腹壁外デスモイド腫瘍(aggressive fibromatosis)の1症例を経験したので,若干の文献的考察を加えて報告する。
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