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文献詳細

雑誌文献

耳鼻咽喉科・頭頸部外科70巻1号

1998年01月発行

原著

前庭性眼振検出における照度の影響について—赤外線CCDカメラとFrenzel眼鏡との比較

著者: 矢部多加夫1 南和延1 平石光俊1 吉本裕1

所属機関: 1帝京大学医学部耳鼻咽喉科学講座

ページ範囲:P.51 - P.54

文献概要

 はじめに
 眼振の観察と記録には従来,裸眼下,Frenzel眼鏡下での観察,ENG記録,サーチコイル記録などが行われてきた。末梢前庭性眼振は注視によって抑制されるので,裸眼よりも凸レンズによって注視を妨げ,豆ランプの照明下に眼振を観察するFrenzel眼鏡下のほうが眼振が認められやすい。ENG記録は閉眼,暗所開眼状態の記録が可能で,Frenzel眼鏡よりも感度はよいが,角膜・網膜電位の変化とアーチファクトの混入,回旋要素の記録ができないなどの欠点をもつ。サーチコイル記録は一般的ではないが,臨床応用の際にはコンタクトレンズを使うため眼球運動時のすべりによるズレが問題になる。
 近年CCDカメラの小型軽量化に伴い赤外線CCDカメラが眼振観察に多用されつつある。赤外線CCDカメラは暗所開眼下の観察が可能で,実際の眼の動きをみているためFrenzel眼鏡よりも眼振検出の感度がよい。赤外線CCDカメラとFrenzel眼鏡の眼振検出における照度の影響について,温度刺激検査ENG記録下に検討したので報告する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1316

印刷版ISSN:0914-3491

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