文献詳細
原著
口腔咽頭に発症した尋常性天疱瘡症例
著者: 瀬藤光利1 水野文恵1 石尾健一郎1 阿部和也1 加瀬康弘1 水野正浩1
所属機関: 1東京大学医学部附属病院分院耳鼻咽喉科
ページ範囲:P.55 - P.58
文献概要
尋常性天疱瘡は弛緩性水疱が全身に多発するのを特徴とし,ステロイド治療が導入される以前は難治でしばしば死に至る疾患であった。50歳前後の男女に多発する1)。約半数の症例で口腔内に発症し,約5か月で全身に広がるため,病初期における診断と治療が重要で予後を左右する2)。今回われわれは口腔,咽頭に限局して発症し,早期の診断によりステロイドの少量投与で寛解に至った1例を経験したので,若干の文献的考察を加えて報告する。
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