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連載 耳鼻咽喉科“コツ”シリーズ 1.外来診療のコツ
①問診のコツ
著者: 持松いづみ1 佃守1
所属機関: 1横浜市立大学医学部耳鼻咽喉科
ページ範囲:P.64 - P.69
文献購入ページに移動 はじめに
耳鼻咽喉科領域には多くの感覚・運動器官が含まれるため疾患も多岐にわたる。したがって訴え様々であるが,問診により診断が絞られることが少なくない。反面,重要なことを聞きそびれたために診断に手間がかかることもある。さらに外来診療においては限られた時間で要領よく問診することも重要である。外来でよく経験することであるが,こちらが「どうしましたか」ときりだすと,自分の状況を延々と話し出す患者がいる。あまり要領を得ない訴えのときは「今日は何が一番困っていらしたのですか」と言葉を変えて,主訴をはっきりさせることが大切である。この時診療録(カルテ)にはなるべく患者の言葉そのままで主訴を記載しておく。
その後現病歴として主訴と関連のある事項を誘導し過ぎない程度に順番よく聞く。どんな主訴であれ発症の時期,発症の状況と経過(突然か,徐々か,持続性か,間歇的か),誘因などは必ず聴取する。患者から聞いた事項は整理して診療録に記載する。症状がないことでも,ない旨を記載する。記録がなければそれは「質問していない」ことに等しい。
一方,アレルギー歴や既往歴,家族歴を聞くことも重要である。これらを聞き逃さないために,さらに時間の短縮のためにも問診表を活用するとよい(図1)。この項では,問診の要領を部位別に紹介する。
耳鼻咽喉科領域には多くの感覚・運動器官が含まれるため疾患も多岐にわたる。したがって訴え様々であるが,問診により診断が絞られることが少なくない。反面,重要なことを聞きそびれたために診断に手間がかかることもある。さらに外来診療においては限られた時間で要領よく問診することも重要である。外来でよく経験することであるが,こちらが「どうしましたか」ときりだすと,自分の状況を延々と話し出す患者がいる。あまり要領を得ない訴えのときは「今日は何が一番困っていらしたのですか」と言葉を変えて,主訴をはっきりさせることが大切である。この時診療録(カルテ)にはなるべく患者の言葉そのままで主訴を記載しておく。
その後現病歴として主訴と関連のある事項を誘導し過ぎない程度に順番よく聞く。どんな主訴であれ発症の時期,発症の状況と経過(突然か,徐々か,持続性か,間歇的か),誘因などは必ず聴取する。患者から聞いた事項は整理して診療録に記載する。症状がないことでも,ない旨を記載する。記録がなければそれは「質問していない」ことに等しい。
一方,アレルギー歴や既往歴,家族歴を聞くことも重要である。これらを聞き逃さないために,さらに時間の短縮のためにも問診表を活用するとよい(図1)。この項では,問診の要領を部位別に紹介する。
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