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原著
副鼻腔手術後のtoxic shock syndromeの1症例
著者: 渡邉幸二郎1 池田勝久1 川瀬哲明1 大島猛史1 鈴木直弘1 舘田勝1 中塚滋1 熊谷正樹1 髙坂知節1 武山実2
所属機関: 1東北大学医学部耳鼻咽喉科学教室 2武山耳鼻咽喉科
ページ範囲:P.659 - P.662
文献購入ページに移動Toxic shock syndrome (以下,TSSと略)は1978年にToddら1)によって初めて報告された症候群で,発疹,血圧低下,発熱などの主症状と下痢,筋肉痛,粘膜発赤,意識障害などの多彩な副症状を呈する疾患であり,重症例では致死的となることもある。欧米では鼻副鼻腔手術後に発症した報告も多く2〜7),本邦においても副鼻腔手術後に発症した症例が数例報告されている8〜10)。現在まで本症の確定診断に有力な手段がなく,発生頻度は潜在的に多いことが推察される。
われわれはTSSと思われる1例を経験したので,その臨床経過とともに診断法について,文献的考察を加えて報告する。
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