文献詳細
文献概要
原著
猫ひっかき病の2症例
著者: 小桜謙一1 松本州司1 宮崎純一2
所属機関: 1高知県立西南病院耳鼻咽喉科 2高知県立西南病院内科・臨床病理科
ページ範囲:P.663 - P.667
文献購入ページに移動頭頸部領域のリンパ節腫脹をきたす疾患は種々あるが,急性感染症状に乏しく,また持続するリンパ節腫脹は悪性腫瘍との鑑別に苦慮することが多く,確定診断のために生検を余儀なくされることがある。猫ひっかき病は,猫との接触の後に局所リンパ節腫脹をきたす疾患で,リンパ節腫脹は腋下,頭頸部領域に多いとされる1,2)。猫ひっかき病は現在確立した診断法がなく,原因不明の頭頸部リンパ節腫脹をみた場合に同疾患を鑑別疾患の1つとして考慮する必要がある3〜5)。今回われわれは,リンパ節生検で病理組織中に桿菌が証明された猫ひっかき病2例を経験したので,若干の文献的考察を加え報告する。
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