文献詳細
文献概要
目でみる耳鼻咽喉科
鼻副鼻腔悪性黒色腫を合併したウェルナー症候群の1例
著者: 山本一博1 小川克二1 井口芳明1 越野樹典1 伊藤昭彦1
所属機関: 1横須賀市立市民病院耳鼻咽喉科
ページ範囲:P.790 - P.791
文献購入ページに移動症例は51歳,男性。数か月前から出現した左鼻出血,鼻閉を主訴に当科を受診した。1986年,他院にてウェルナー症候群と診断されている。既往歴に白内障,糖尿病,高血圧,右足底部の潰瘍がある。体型は小柄,痩せ形で,外鼻は尖り白髪であった(図1)。前鼻鏡所見上,左総鼻道に充満する腫瘤性病変を認めた(図2)。副鼻腔単純X線所見では左上顎洞,篩骨洞を中心に一側性陰影を認め(図3),副鼻腔CT所見では内部がやや不均一な病巣として描出された。組織生検を施行し悪性腫瘍が疑われたため手術を施行した。腫瘍は左鼻腔から篩骨洞,蝶形骨洞に進展しており,上顎部分切除術を行った。摘出した検体を図5に示す。病理組織学的にはメラニン顆粒の存在が認められ(図6),抗HMB45抗体を用いた免疫組織化学染色法で陽性であった。
掲載誌情報