文献詳細
原著
上咽頭癌局所再発例に対する動注化学療法
著者: 安松隆治13 新里祐一1 井之口昭2 小宮山荘太郎2
所属機関: 1下関市立中央病院耳鼻咽喉科 2九州大学医学部耳鼻咽喉科学教室 3現:国立病院九州がんセンター頭頸科
ページ範囲:P.829 - P.832
文献概要
抗腫瘍剤の局所動脈内投与法は,1950年にKloppら1)が試みて以来,静脈内投与に比べ優れた抗腫瘍効果と副作用の軽減を図る方法として臨床的にも広く行われてきた。頭頸部領域においても,とりわけ上顎癌に対する浅側頭動脈を利用した持続動注療法+放射線治療は,集学的治療の一環として確立された治療法であり,その他の悪性腫瘍に対してもセルディンガー法にて超選択的動注化学療法を実施している報告2〜4)もある。
今回われわれは,抗腫瘍剤の全身投与では効果が認められなかった頭蓋内浸潤をきたした上咽頭癌局所再発例に対し,超選択的動注化学療法および浅側頭動脈からの持続動注化学療法を行い,有効であったので文献的考察を加えて報告する。
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