耳鼻咽喉科・頭頸部外科70巻13号

1998年12月発行

原著

下顎骨歯原性粘液線維腫の1例

著者： 中川暁子¹⁴ 鈴木弥生¹ 戸島均¹ 高橋敦² 宇佐美泰徳³

所属機関： ¹日立総合病院耳鼻咽喉科 ²日立総合病院病理科 ³日立総合病院形成外科 ⁴現：筑波大学博士課程医学研究科

ページ範囲：P.907 - P.910

文献概要

　はじめに
　Odontogenic myxofibroma （歯原性粘液線維腫）は主として下顎骨臼歯部に発生し，歯原性腫瘍の4〜7％を占める比較的稀な腫瘍である^1,2）。その由来には諸説があるが，線維腫が分化した病変あるいは粘液変性を起こした病変と考える説が有力である。
　今回われわれは左下顎骨臼歯部に発生した歯原性粘液線維腫に対し下顎骨区域切除術を施行し，腹直筋皮弁によって再建した1例を経験したので報告する。