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原著
Gradenigo症候群の1例
著者: 井口芳明1 小川克二 山本一博 越野樹典 加藤幸子
所属機関: 1横須賀市立市民病院耳鼻咽喉科
ページ範囲:P.90 - P.93
文献購入ページに移動Gradenigo症候群は一般に中耳炎が存在し,これに三叉神経痛と外転神経麻痺を伴った場合と定義される1)。多くは中耳炎の急性憎悪時に中耳の炎症が錐体尖端部に波及し,そこに限局性の炎症を起こすことに起因するといわれている。古典的な疾患の1つであるが,抗生剤の進歩,耳性頭蓋内合併症の減少によりその報告はきわめて少なくなっている。しかし,硬膜外膿瘍や髄膜炎などの合併症を起こすこともあり,その診断とさらにその治療は非常に大切である。今回われわれは,典型的なGradenigo症候群を経験したので報告する。
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