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良性発作性頭位眩暈症のメカニズムに関する一考察
著者: 鈴木衞1
所属機関: 1東京医科大学耳鼻咽喉科学教室
ページ範囲:P.232 - P.239
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良性発作性頭位眩暈症(以下,BPPV)は日常診療においてしばしばみられるめまい疾患で,末梢前庭疾患のうち最も頻度が高く,頭位の変化により誘発される回転性めまい発作を特徴とする。予後は比較的良好で,薬物などの保存的療法で数か月で軽快することが多いが,中には数年以上も続く難治例もある。その特徴的な臨床像から従来より研究者の興味を集めているが,病態は末だ論議の的となっている。近年Epley1),Brandtら2)により理学療法としての頭位変換療法が典型的なBPPVに有効であると報告された。以来多くの追試によりその有効性が確認されるに至り3〜5),一層BPPVの病態に関して興味が集まっている。本文では,BPPVの病態について文献と頭位変換療法に関する筆者の経験をもとに概説したい。また,動物を用いたBPPVのモデル実験によって,感覚上皮への刺激受容様式についていくつかの知見を得たので,これについても併せて述べる。
良性発作性頭位眩暈症(以下,BPPV)は日常診療においてしばしばみられるめまい疾患で,末梢前庭疾患のうち最も頻度が高く,頭位の変化により誘発される回転性めまい発作を特徴とする。予後は比較的良好で,薬物などの保存的療法で数か月で軽快することが多いが,中には数年以上も続く難治例もある。その特徴的な臨床像から従来より研究者の興味を集めているが,病態は末だ論議の的となっている。近年Epley1),Brandtら2)により理学療法としての頭位変換療法が典型的なBPPVに有効であると報告された。以来多くの追試によりその有効性が確認されるに至り3〜5),一層BPPVの病態に関して興味が集まっている。本文では,BPPVの病態について文献と頭位変換療法に関する筆者の経験をもとに概説したい。また,動物を用いたBPPVのモデル実験によって,感覚上皮への刺激受容様式についていくつかの知見を得たので,これについても併せて述べる。
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