文献詳細
特集 高齢者の耳鼻咽喉科・頭頸部疾患—治療とリハビリのてびき
1.高齢者の聴覚障害
文献概要
はじめに
滲出性中耳炎は幼小児そして高齢者に好発する耳疾患であり,中耳貯留液のため長期間難聴を訴え,難治性に移行したり,いったん治癒しても再発を繰り返すことが少なくない。したがって,本疾患に対する有効な治療法を確立するために,これまで多くの基礎的,そして臨床的研究が行われ,その病態が少しずつ解明されてきた。今日では細菌感染や耳管機能障害が最も重要な成因と考えられ,実地臨床でもこうした研究成果に基づいた様々な治療がすでに行われている。しかし,その多くは小児滲出性中耳炎を対象としたものであり,高齢者あるいは成人の病態そして治療法に関する報告は少ない。
ここでは,高齢者を含めた成人滲出性中耳炎の特徴を幼小児の病態と比較することによって明らかにし,さらにその治療における留意点についてまとめてみたい。
滲出性中耳炎は幼小児そして高齢者に好発する耳疾患であり,中耳貯留液のため長期間難聴を訴え,難治性に移行したり,いったん治癒しても再発を繰り返すことが少なくない。したがって,本疾患に対する有効な治療法を確立するために,これまで多くの基礎的,そして臨床的研究が行われ,その病態が少しずつ解明されてきた。今日では細菌感染や耳管機能障害が最も重要な成因と考えられ,実地臨床でもこうした研究成果に基づいた様々な治療がすでに行われている。しかし,その多くは小児滲出性中耳炎を対象としたものであり,高齢者あるいは成人の病態そして治療法に関する報告は少ない。
ここでは,高齢者を含めた成人滲出性中耳炎の特徴を幼小児の病態と比較することによって明らかにし,さらにその治療における留意点についてまとめてみたい。
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