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文献詳細

雑誌文献

耳鼻咽喉科・頭頸部外科70巻6号

1998年05月発行

文献概要

トピックス ベル麻痺の診断と治療—最近の知見

3.ベル麻痺の保存的治療

著者: 阿部祐士1 白水重尚2 柳務2 高橋昭3

所属機関: 1名古屋大学医学部神経内科 2名古屋第二赤十字病院神経内科 3公立学校共済組合東海中央病院神経内科

ページ範囲:P.321 - P.324

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 はじめに
 ベル麻痺は末梢性顔面神経麻痺の中で最も頻度が高く,日常診療においてしばしば遭遇する疾患である。本症の自然治癒率は高いと考えられているものの,全く治癒傾向を示さなかったり,兎眼による角膜障害や再生神経線維の異常連合による空涙現象など,侮りがたい後遺症を残す例が存在する。ベル麻痺の治療の必要性は,これら予後不良症例の適切な治療法の確立にあると考えられるが,未だ病因が明らかでなく,したがってその治療法にはなお一定した結論は得られていない1)。しかし,これまでに発案された数多くの治療法により治癒率が著明に向上してきているのも事実であり,その成果は目を見張るものがある。本稿では,現在の最も一般的な保存的治療法について,特に薬物療法を中心に概説し,新しい治療法の試みについても随所に紹介していきたい。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1316

印刷版ISSN:0914-3491

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