文献詳細
原著
鼻粘膜病変を伴った瘢痕性類天疱瘡の2症例
著者: 瀧田留美14 吉邨博孝1 米本正明1 山本昌彦1 田辺恵美子2 蛭田啓之3 小田恂4
所属機関: 1東邦大学佐倉病院耳鼻咽喉科 2東邦大学佐倉病院皮膚科 3東邦大学佐倉病院病理 4東邦大学医学部第一耳鼻咽喉科学教室
ページ範囲:P.367 - P.371
文献概要
瘢痕性類天疱瘡は病理組織学的に区別される皮膚・粘膜疾患で,報告例が少ない疾患である。病変は皮膚・粘膜に水疱を形成するのが特徴で,のちに瘢痕化をきたす自己免疫性水疱症の1つと考えられている1)。
組織学的には表皮下にみられる水疱が特徴で,免疫組織学的には基底膜に一致して免疫グロブリンや補体の線状沈着を認め,末期には線維化が認められるようになる2)。症状は咽頭,外陰部,肛門などの粘膜に水疱を形成することが多く,従来からの報告を通覧しても鼻粘膜病変を記載した論文は少ない。
最近,われわれは鼻粘膜にも病変が認められた瘢痕性類天疱瘡の症例を2例経験したので報告する。
掲載誌情報