文献詳細
原著
耳下腺に発生した上皮筋上皮癌の2例
著者: 谷口昌史1 羽藤直人1 門田吉見1 兵頭政光1 村上信五1
所属機関: 1愛媛大学医学部耳鼻咽喉科学教室
ページ範囲:P.439 - P.443
文献概要
耳下腺腫瘍は病理組織学的に多彩な像を呈することが,その特徴の1つとされている。上皮筋上皮癌は病理組織学的に核の異型性は軽度であるが,臨床的に周囲組織への浸潤,再発,頸部リンパ節転移や遠隔転移を示す低悪性癌であり,1990年に改訂された唾液腺腫瘍のWHO組織分類に新たに加えられた1)。しかしその報告は少なく,本邦における耳下腺原発の上皮筋上皮癌は7例を数えるにすぎない2〜8)。筆者らは,最近耳下腺に発生し顔面神経麻痺をきたした本腫瘍の2例を経験したので,症例の臨床経過に文献的考察を加えて報告する。
掲載誌情報