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原著
インターフェロンによるマウスABRの変化
著者: 外山勝浩1 東野哲也1 牛迫泰明1 森満保1 小宗静男1
所属機関: 1宮崎医科大学耳鼻咽喉科学教室
ページ範囲:P.529 - P.532
文献購入ページに移動インターフェロン(IFN)は抗ウイルス作用,抗腫瘍作用,免疫調節作用などを有するサイトカインで,臨床的にウイルス性慢性肝炎患者や白血病,その他の悪性腫瘍患者に使用されている。副作用に関しては,ほぼ全症例にみられるインフルエンザ様症状,白血球や血小板の減少,脱毛などから,稀ながら死亡にまで至る間質性肺炎まで様々な報告がされており,聴覚にも影響を及ぼすという報告1〜5,6)がある。われわれも,IFN治療を行った慢性肝炎患者の約40%に高音域に比較的軽度で可逆性の感音難聴が生じたことを報告した3,6)。また,聴覚障害例では中性脂肪が著しく増加する症例が多く,聴覚障害を起こすメカニズムとして,内耳微小循環障害が関与している可能性が示唆されている3,6)。高音域の聴力閾値は正常者においても変動しやすく,INFによる聴力変動は一般的に認知されていないのが現状である。今回は,IFNによる聴覚障害が生ずることを確認するため,マウスの聴力を聴性脳幹反応(ABR)にて評価し,IFNの聴器に及ぼす影響について検討した。
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