文献詳細
原著
慢性鼻副鼻腔炎患者の頭痛・顔面痛に関する臨床的検討—(その3)鼻副鼻腔手術前後の比較
著者: 内藤健晴1 宮田昌1 馬場錬1 間宮淑子1 大山俊廣1 岩田重信1
所属機関: 1藤田保健衛生大学医学部耳鼻咽喉科学教室
ページ範囲:P.601 - P.604
文献概要
急性副鼻腔炎患者における頭痛・顔面痛では,その責任部位や症状の程度との因果関係は比較的明瞭である1)。しかし,慢性の場合はそれほど単純ではない。欧米では,これら慢性の鼻性頭痛について既に多くの研究が行われてきているが2〜4),本邦でのこの領域の研究は極めて少ない。われわれは,以前より慢性鼻副鼻腔炎患者の頭痛・顔面痛に関する臨床的研究を行ってきた5〜7)。欧米では,これら慢性の鼻性頭痛に対して鼻副鼻腔手術が積極的に行われており,その臨床効果も認められている2)。今回,われわれは慢性鼻副鼻腔炎患者の訴える頭痛・顔面痛が鼻副鼻腔手術によりどのような経過をたどるか検討したので報告する。また,頭痛の出現に心因的な背景やアレルギー性炎症の関与が疑われているので,今回の研究ではその点に関しても検討を行った。
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