文献詳細
原著
感音性難聴を伴った急性中耳炎症例の検討
著者: 宇野芳史1 信平真里1 小河原利彰2 頼実哲2 山下安彦2
所属機関: 1宇野耳鼻咽喉科クリニック 2国立岡山病院耳鼻咽喉科
ページ範囲:P.63 - P.67
文献概要
急性中耳炎は,日常耳鼻咽喉科診療において比較的頻度の高い疾患であり,特に市中の診療所においては最も頻繁に遭遇する疾患の1つである。急性中耳炎により引き起こされる難聴は,伝音性難聴であることがほとんどであるが,本邦では1953年の切替ら1)の報告以来,急性中耳炎に内耳障害を合併した症例の報告が散見されるようになってきた2〜10)。今回当診療所で経験した感音性難聴を伴った急性中耳炎症例について,代表的な1症例を呈示するとともに全8症例の臨床経過をまとめ,内耳障害の原因について文献的に検討したので報告する。
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