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文献詳細

雑誌文献

耳鼻咽喉科・頭頸部外科71巻10号

1999年09月発行

トピックス めまい—私の考え方

2.動揺病について

著者: 高橋正紘1

所属機関: 1東海大学医学部耳鼻咽喉科学教室

ページ範囲:P.661 - P.665

文献概要

 はじめに
 動揺病は車酔い,船酔いなどの乗物酔いとしてよく知られている。気分不快がまず現れ,顔面蒼白,冷汗,唾液分泌亢進などとともに吐き気が増強し,ついには嘔吐で終わる。学童期にしばしば経験するが,成人後は稀となる。しかし,動揺病の本質は不快症状ではなく,これを誘発させる外界の知覚異常にある。高齢者が増し,動く歩道や移動する閉鎖空間の施設が多くなると,知覚環境が動作に及ぼす影響が注目されるであろう。
 動揺病を理解することは,これらの対策を練る上で有効である。当初,予想されなかったことであるが,実験的動揺病の研究1〜10)は,一見複雑な日常動作の背後に巧妙で単純な原理のあることを示してきた。これらについては,総説として報告してきた11〜14)
 本稿では,特に合目的に制御される日常動作との関係で動揺病を解説した。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1316

印刷版ISSN:0914-3491

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