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文献詳細

雑誌文献

耳鼻咽喉科・頭頸部外科71巻10号

1999年09月発行

鏡下咡語

耳鼻咽喉科医の寿命—いつ診療から身を引くか

著者: 坂井真12

所属機関: 1茅ヶ崎中央病院 2東海大学

ページ範囲:P.696 - P.697

文献概要

 長命な耳鼻咽喉科医
 本誌「耳喉頭頸」編集顧問の最長老であり,1928年に久保猪之吉先生が本誌を創刊された時に,久保先生の助手として本誌の発行にたずさわられたという大藤敏三先生が本年3月に98歳のご高齢で逝去された。大藤先生と相前後して,京都の森本正紀先生が86歳で,また名古屋の後藤修二先生は93歳のご高齢で亡くなられている。筆者が所属する神奈川地方部会でも,かなりの高齢で亡くなられた先生がおられ,中には90歳過ぎまで診療を続けられた先生もおられた。
 耳鼻咽喉科医には長命な方が多いのであろうか。ちなみに,1993年(平成5年)5月に日耳鼻学会創立100周年記念式典が開催された際には90歳以上の会員21名が表彰されている。平成5年当時の日耳鼻会員数は9,432名と記録にあるので,90歳以上の会員が全会員中に占める比率は0.22%ということになる。この比率が耳鼻咽喉科医だから高いのか,あるいは低いのか,医学の他専門領域の医師のそれと比較するデータがないので分からない。ところが,最近になって米国で大変興味あるデータが報告されている。既に読まれた方も多いと思うが,そのうち筆者が興味をおぼえた部分について紹介してみよう。その論文はArch Otolaryn-gol-HNSの3月号に出たNeil WardとLoring Pratt(この人はメイン州ウオータービルという田舎町の開業医だが,学会での活動も盛んで,筆者の永年の友人でもある)の共著になる,米国耳鼻咽喉科学会(AAO-HNS)の60歳以上の会員2,114名にアンケート調査を行い,865名からの回答結果に基づいた“Otolaryn-gologists Older Than 60 Years”という題名の論文である。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1316

印刷版ISSN:0914-3491

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