文献詳細
原著
両側鼻腔にまたがった鼻石症例
著者: 栗原秀樹1 川端五十鈴1 椿恵樹1 加藤高行1
所属機関: 1埼玉医科大学総合医療センター耳鼻咽喉科
ページ範囲:P.699 - P.702
文献概要
鼻石症は,日常臨床では比較的少ない疾患である。しかし,既に1602年,Grandiによって報告されて以来,欧米では多数の症例を集めた臨床統計の研究が報告されている1)。一方,本邦においても同様な臨床統計の研究が発表されている2〜4)。鼻石症の大多数の症例では一側性の発症であり,両側性のものはごくわずかである。両側性の場合は両側の鼻腔に独立して発症する症例が多いが,われわれは鼻中隔の穿孔を通して,両側鼻腔に存在した両側にまたがった鼻石症例を経験したので,その概要を記載するとともに,今までの報告例を引用しながら若干の考察を加えた。
掲載誌情報