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原著
中耳,上咽頭併発結核の2症例
著者: 牧野伸子13 坂本邦彦1 梶川泰1 雑賀孝昇1 石田稔1 伏見博彰2
所属機関: 1大阪府立病院耳鼻咽喉科 2大阪府立病院病理科 3現:自治医科大学耳鼻咽喉科学教室
ページ範囲:P.747 - P.749
文献購入ページに移動1998年の国民衛生の動向1)によると,活動性肺結核の5万6,195人に対して肺外結核は3,565人と約6%に過ぎない。耳鼻咽喉科領域の結核はさらにその一部で,発生部位の特殊性から診断に苦慮する場合が多い。
上咽頭結核について,本邦では1941年に浅井2)が鼻咽頭結核の臨床所見として22例を報告している。それ以後は,1976年の黒住ら3)の報告から,1996年の石塚ら4)の報告までを合わせて45例の報告があるが,結核性中耳炎を合併していた症例は川原ら5)の報告を含めても極めて少ない。
今回,結核性中耳炎を合併した上咽頭結核症例を2症例経験したので報告する。
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