文献詳細
連載 小児の耳鼻咽喉科・頭頸部外科シリーズ
文献概要
はじめに
アレルギー性鼻炎は耳鼻咽喉科領域では頻度の高い疾患である。もちろん,小児の患者も多い。小児アレルギー性鼻炎では気管支喘息,アトピー性皮膚炎の合併が多いこと,これらを含めてアレルギーマーチと呼ばれていることもよく知られている1)。現在,治療は小児科よりも耳鼻咽喉科で行われるケースが多い。これは実際に鼻粘膜を観察し,風邪症候あるいは副鼻腔炎などとしての症状なのかを判断し,治療が可能であるからと思われる。一般に小児のアレルギー性鼻炎の多くは通年性であり,ハウスダスト,ダニが原因であることが多い。しかし,近年スギ花粉症の増加に伴い,小児においても花粉症は稀な疾患ではなくなってきている2)。鼻粘膜所見もハウスダスト,ダニの通年性のものとスギなどの花粉症では異なり,鑑別が必要である。他疾患で小児科を訪れている患児は既に薬物治療が行われており,それを考慮して小児のアレルギー性鼻炎治療を行うことが重要と考える。
本稿では,小児アレルギー性鼻炎の特殊性を中心に病態と治療について解説する。
アレルギー性鼻炎は耳鼻咽喉科領域では頻度の高い疾患である。もちろん,小児の患者も多い。小児アレルギー性鼻炎では気管支喘息,アトピー性皮膚炎の合併が多いこと,これらを含めてアレルギーマーチと呼ばれていることもよく知られている1)。現在,治療は小児科よりも耳鼻咽喉科で行われるケースが多い。これは実際に鼻粘膜を観察し,風邪症候あるいは副鼻腔炎などとしての症状なのかを判断し,治療が可能であるからと思われる。一般に小児のアレルギー性鼻炎の多くは通年性であり,ハウスダスト,ダニが原因であることが多い。しかし,近年スギ花粉症の増加に伴い,小児においても花粉症は稀な疾患ではなくなってきている2)。鼻粘膜所見もハウスダスト,ダニの通年性のものとスギなどの花粉症では異なり,鑑別が必要である。他疾患で小児科を訪れている患児は既に薬物治療が行われており,それを考慮して小児のアレルギー性鼻炎治療を行うことが重要と考える。
本稿では,小児アレルギー性鼻炎の特殊性を中心に病態と治療について解説する。
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