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手術・手技
オスラー病に対する超音波凝固切開装置の使用経験
著者: 大久保公裕1 八木聰明1
所属機関: 1日本医科大学耳鼻咽喉科学教室
ページ範囲:P.955 - P.958
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オスラー病(Oslar-Weber-Rendu病)は1901年に初めて報告された疾患であり,遺伝性出血性血管拡張症とも呼ばれている1)。その病名のごとく遺伝性(常染色体優性遺伝)があり,症状としては鼻出血や消化管粘膜の毛細血管拡張がみられる。耳鼻咽喉科的には口腔粘膜点状出血も認められ,診断の一助となる。その特徴である粘膜病変でも特に鼻粘膜病変は必発で,頻回の鼻出血で耳鼻咽喉科を受診することが多い。この鼻出血は血管の異常に起因するものであり,反復性で止血が困難である。現在,止血には粘膜電気凝固術2,3),レーザー焼灼術4〜8),鼻腔植皮術9,10)などが行われ,ホルモン治療としてのエストロゲン投与11)も有効とされている。しかし,確実な止血法がないのも事実である。今回われわれは,腹腔鏡下手術で広く使用されている凝固能の高い超音波凝固装置ハーモニックス カルペルTMを用いて,止血困難であったオスラー病の鼻粘膜凝固術を行ったので報告する。
オスラー病(Oslar-Weber-Rendu病)は1901年に初めて報告された疾患であり,遺伝性出血性血管拡張症とも呼ばれている1)。その病名のごとく遺伝性(常染色体優性遺伝)があり,症状としては鼻出血や消化管粘膜の毛細血管拡張がみられる。耳鼻咽喉科的には口腔粘膜点状出血も認められ,診断の一助となる。その特徴である粘膜病変でも特に鼻粘膜病変は必発で,頻回の鼻出血で耳鼻咽喉科を受診することが多い。この鼻出血は血管の異常に起因するものであり,反復性で止血が困難である。現在,止血には粘膜電気凝固術2,3),レーザー焼灼術4〜8),鼻腔植皮術9,10)などが行われ,ホルモン治療としてのエストロゲン投与11)も有効とされている。しかし,確実な止血法がないのも事実である。今回われわれは,腹腔鏡下手術で広く使用されている凝固能の高い超音波凝固装置ハーモニックス カルペルTMを用いて,止血困難であったオスラー病の鼻粘膜凝固術を行ったので報告する。
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