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原著
上咽頭癌に対する手術法maxillary swing approachの経験
著者: 横島一彦1 中溝宗永1 後藤穣1 陣内賢1 矢嶋裕徳1
所属機関: 1日本医科大学耳鼻咽喉科学教室
ページ範囲:P.123 - P.126
文献購入ページに移動上咽頭癌の治療は,放射線治療と化学療法が主体である1,2)。しかし,一次治療後の残存や再発症例に対しては,積極的に原発巣に対する外科的治療を行うようになってきている3〜5)。近年の頭蓋底外科の進歩や画像診断の発達は,効果的な外科的治療を可能にしており,上咽頭癌の治療成績の向上につながると思われる。
上咽頭へのアプローチの方法により根治切除が可能な範囲,術後合併症には差があり,癌の進展範囲と術後のQOLを考慮して術式が選択されているが3),術式の選択基準の詳細については不明な点も多い。適切な術式を選択するために,各術式での手術侵襲や術後合併症の程度と根治切除の限界について,より詳細に認識する必要があると思われる。
この報告では,上咽頭へのアプローチの1つとしてWeiら6)が提唱したmaxillary swingapproach (MSA)で外科的治療を行った上咽頭癌の1症例を呈示し,MSAの適応と限界について考察した。
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