文献詳細
原著
基礎疾患のない健康成人に発症した頸部リンパ節結核の3症例
著者: 中原はるか1 武藤奈緒子1 武田英彦1 滋賀秀壮1 熊川孝三2
所属機関: 1東京大学医学部附属病院分院耳鼻咽喉科 2虎の門病院耳鼻咽喉科
ページ範囲:P.253 - P.257
文献概要
国際的な努力にもかかわらず,結核は今なお重要な感染症の1つで,細胞性免疫を低下させる後天性免疫不全症候群(AIDS)の出現に伴い再度世界的に増加する傾向にある1)。日本では1996年に全国で42,472人の結核患者が新規登録されたが2),1997年では38年ぶりに結核感染が増加し,42,715人が新規登録されたという報告が先頃なされた3)。
東京中心部にある虎の門病院で,続けて健康成人3症例の頸部リンパ節結核を経験したので,今後再び増加する可能性を考え,耳鼻咽喉科における結核の診断,治療,問題点を考察した。
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