文献詳細
文献概要
原著
内耳道狭窄の1症例
著者: 和田由起1 春田厚1 小宗静男1
所属機関: 1宮崎医科大学耳鼻咽喉科学教室
ページ範囲:P.287 - P.291
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一側性先天性感音難聴は乳幼児期に気づかれることは少なく,就学時検診で発見されることが多い。ムンプス,麻疹など因果関係のはっきりしているものもあるが,先天性感音難聴児のうち46%が原因不明とされる1)。近年画像技術の向上は,内耳道,蝸牛,前庭など様々の微細な側頭骨形態の異常所見を提供し,日常診療において感音難聴の原因を推定することが可能となった。その結果,側頭骨形態異常に伴う感音難聴に関する報告も散見されるようになった2)。その中でも内耳道に限局した形態異常は稀である3)。
今回われわれは,内耳道狭窄単独の異常が原因と考えられる前庭機能,顔面神経機能の正常な一側性感音難聴症例を経験したので,若干の文献的考察を加えて報告する。
一側性先天性感音難聴は乳幼児期に気づかれることは少なく,就学時検診で発見されることが多い。ムンプス,麻疹など因果関係のはっきりしているものもあるが,先天性感音難聴児のうち46%が原因不明とされる1)。近年画像技術の向上は,内耳道,蝸牛,前庭など様々の微細な側頭骨形態の異常所見を提供し,日常診療において感音難聴の原因を推定することが可能となった。その結果,側頭骨形態異常に伴う感音難聴に関する報告も散見されるようになった2)。その中でも内耳道に限局した形態異常は稀である3)。
今回われわれは,内耳道狭窄単独の異常が原因と考えられる前庭機能,顔面神経機能の正常な一側性感音難聴症例を経験したので,若干の文献的考察を加えて報告する。
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