文献詳細
原著
文献概要
はじめに
血友病は比較的少ない疾患で,一般の耳鼻咽候科医が遭遇する機会は稀と思われる。血友病の臨床像としては,関節内出血,皮下深部出血,創傷出血遅延などを呈するといわれているが,軽症例では典型的な症状が認められず,術前に血友病の診断がなされていない可能性もあり得る。今回の症例は,術後アデノイドから出血を繰り返し確定診断に至った。いったん術後出血をきたすと止血には難渋し,咽頭への血液の流入のため,患者は嘔吐をきたしたり,最悪の場合気道閉塞をも引き起こしかねない。術後出血を防ぐためにも術前検査,特にAPTTを含めた凝固系スクリーニングの重要性を再認識したので報告する。
血友病は比較的少ない疾患で,一般の耳鼻咽候科医が遭遇する機会は稀と思われる。血友病の臨床像としては,関節内出血,皮下深部出血,創傷出血遅延などを呈するといわれているが,軽症例では典型的な症状が認められず,術前に血友病の診断がなされていない可能性もあり得る。今回の症例は,術後アデノイドから出血を繰り返し確定診断に至った。いったん術後出血をきたすと止血には難渋し,咽頭への血液の流入のため,患者は嘔吐をきたしたり,最悪の場合気道閉塞をも引き起こしかねない。術後出血を防ぐためにも術前検査,特にAPTTを含めた凝固系スクリーニングの重要性を再認識したので報告する。
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