文献詳細
特集 再建外科
I.再建材料とその採取法 3.筋皮弁
文献概要
はじめに
腹直筋(rectus abdominis muscle)は,上方からは内胸動静脈(internal thoracic artery and vein)の続きである上腹壁動静脈(superior epigas-tric artery and vein)で栄養され,下方からは外腸骨動静脈(external iliac artery and vein)の枝である下腹壁動静脈(inferior epigastric artery and vein)で栄養されている。
一般に腹直筋皮弁(rectus abdominis musculo-cutaneous flap)をデザインする場合,この上腹壁動静脈ないし下腹壁動静脈のいずれかを栄養血管とする筋皮弁としてデザインされる。上腹壁動静脈を茎としたいわゆる上腹直筋皮弁は,普通,腹直筋起始部をpivot point (皮弁のrotationの支点)とする有茎皮弁(pedicled flap)としてデザインされるが,これは頭頸部再建の筋皮弁としては血管茎の長さが不足し,筋皮弁が頭頸部の組織欠損部には届かない。また上腹壁動静脈は,後述する下腹壁動静脈に比べて径が細く,十分な長さの血管茎も得にくいため,遊離筋皮弁(free flap)とするには適当でない。そのため,上腹直筋皮弁が頭頸部再建に利用されることはほとんどない。
腹直筋(rectus abdominis muscle)は,上方からは内胸動静脈(internal thoracic artery and vein)の続きである上腹壁動静脈(superior epigas-tric artery and vein)で栄養され,下方からは外腸骨動静脈(external iliac artery and vein)の枝である下腹壁動静脈(inferior epigastric artery and vein)で栄養されている。
一般に腹直筋皮弁(rectus abdominis musculo-cutaneous flap)をデザインする場合,この上腹壁動静脈ないし下腹壁動静脈のいずれかを栄養血管とする筋皮弁としてデザインされる。上腹壁動静脈を茎としたいわゆる上腹直筋皮弁は,普通,腹直筋起始部をpivot point (皮弁のrotationの支点)とする有茎皮弁(pedicled flap)としてデザインされるが,これは頭頸部再建の筋皮弁としては血管茎の長さが不足し,筋皮弁が頭頸部の組織欠損部には届かない。また上腹壁動静脈は,後述する下腹壁動静脈に比べて径が細く,十分な長さの血管茎も得にくいため,遊離筋皮弁(free flap)とするには適当でない。そのため,上腹直筋皮弁が頭頸部再建に利用されることはほとんどない。
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