耳鼻咽喉科・頭頸部外科71巻5号

1999年04月発行

特集 再建外科

I．再建材料とその採取法 4．骨付き筋皮弁

（1）肋骨付き皮弁—肋骨広背筋皮弁

著者： 丸山優¹ 大西清¹

所属機関： ¹東邦大学医学部形成外科学講座

ページ範囲：P.53 - P.58

文献概要

　はじめに
　各種機能の複合体となる頭頸部領域の障害は，単に日常生活での制限を強いられるばかりでなく，全身的影響に加え整容的，精神的にも極めて重要な意味をもつ。その修復再建にあたっては，種々の損傷に対し温存された機能と形態を正確に把握し，個々のもつ諸条件を加味したうえでより確実な再建法を選択することが肝要となる。その主軸をなすのが皮弁移植術であり，その発達，とりわけ骨付き皮弁の導入は，頭頸部再建に多くの恩恵をもたらしたといえる。本稿では肋骨広背筋皮弁についてその概要を述べる。