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文献概要
特集 再建外科 II.再建部位による再建材料の選択と再建方法
3.口腔・舌の再建
著者: 浅井昌大12
所属機関: 1国立がんセンター東病院頭頸科 2現:帝京大学医学部附属市原病院耳鼻咽喉科
ページ範囲:P.117 - P.124
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舌がんを初めとして口腔がんの切除では,再建術の存在により初めて形態・機能の維持が可能となった症例が多数認められ,他がんに増して再建術の有用性が認められる部位である。
しかし,口腔・舌の再建はもともとの音声言語,咀嚼・嚥下機能や切除範囲により,再建の必要性,再建材料や方法の選択がされる必要があり,症例ごとに検討を要する。したがって,年齢,職業,残存する歯牙の状態,食事内容などを術前に十分把握したうえで,腫瘍の進展範囲から必要な切除範囲,必要な切開線を割り出し,要求される水準に最も近づけられる再建後の状態を想定し,それに見合う再建材料,再建方法を決定する。一方,全身状態からその手術が可能かを見極めておく必要がある。つまり,再建手術の最も重要な点は術前の十分な検討である。国立がんセンターにおいては,頭頸部外科医が予想される切除範囲と予後を明らかにしたうえで形成外科医が十分な診察を行い,術前の全身状態,口腔内の所見,採取し得る皮弁の状況などの判断を行い,頭頸部外科医,形成外科医の十分なディスカッションを重ねて再建方法や材料を決定する。また,術後義歯やプロテーゼを装着する必要がある場合は歯科と,放射線治療を行う場合は放射線科やmedical on-cologistとも協議をして,術後の回復期間や,照射に伴う炎症や乾燥による嚥下障害も考慮していく必要がある。
舌がんを初めとして口腔がんの切除では,再建術の存在により初めて形態・機能の維持が可能となった症例が多数認められ,他がんに増して再建術の有用性が認められる部位である。
しかし,口腔・舌の再建はもともとの音声言語,咀嚼・嚥下機能や切除範囲により,再建の必要性,再建材料や方法の選択がされる必要があり,症例ごとに検討を要する。したがって,年齢,職業,残存する歯牙の状態,食事内容などを術前に十分把握したうえで,腫瘍の進展範囲から必要な切除範囲,必要な切開線を割り出し,要求される水準に最も近づけられる再建後の状態を想定し,それに見合う再建材料,再建方法を決定する。一方,全身状態からその手術が可能かを見極めておく必要がある。つまり,再建手術の最も重要な点は術前の十分な検討である。国立がんセンターにおいては,頭頸部外科医が予想される切除範囲と予後を明らかにしたうえで形成外科医が十分な診察を行い,術前の全身状態,口腔内の所見,採取し得る皮弁の状況などの判断を行い,頭頸部外科医,形成外科医の十分なディスカッションを重ねて再建方法や材料を決定する。また,術後義歯やプロテーゼを装着する必要がある場合は歯科と,放射線治療を行う場合は放射線科やmedical on-cologistとも協議をして,術後の回復期間や,照射に伴う炎症や乾燥による嚥下障害も考慮していく必要がある。
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